口腔外科
口腔外科
口腔外科とは
口腔外科とは、口の中をのぞいて見えるすべての組織、歯、舌、歯茎、頬の粘膜、舌の付け根、下アゴ、上アゴ、唇(くちびる)と、粘膜に隠れている唾液腺(つばを出す組織)、アゴや顔の形をつくっている骨、アゴの関節などなど、これらに生じた病気を専門に診断、治療する診療科目です。
口腔外科専門医と専門医制度
口腔外科学の専門的知識と経験を有する歯科医師または医師の養成や、口腔外科医療の発展と水準の向上をはかることが専門医制度の目的です。日本口腔外科学会の専門医制度は、わが国における歯科関係の学会としては、もっとも古い歴史を有しております。 そして、学会の審査・試験に合格し、技術的に優れていて、安心して治療を受けていただける医師・歯科医師が、口腔外科専門医です。専門医は口腔外科治療に関して充分な学識と豊富な治療経験を持ち、常に学識・経験の向上をめざしています。
口腔外科の診療領域
口の中だけの外科的処置だけでなく、エナメル上皮腫などの良性腫瘍、口腔癌と言われる悪性腫瘍、顎骨骨髄炎・蜂巣炎などの炎症、顎顔面領域の骨折・外傷、唇顎口蓋裂などの先天性疾患、白板症などの粘膜疾患、顎変形症、顎骨嚢胞、顎関節疾患、口腔インプラント治療など、多岐にわたっています。
顔に関する症状
- 事故で顔面を打撲した
- 顔の左右が非対称である
- 顔面に激しい痛みが発生する
- 開眼や顔の表情に支障が出た
- 顎や頬がはれてきた
- まぶたがぴくぴくする
顎に関する症状
- 顎を骨折した
- 下顎が出ている
- 顎が小さい
- 顎がねじれている
- 上下の噛み合わせが悪い
- 顎の関節の音がする
- 口が開かなくなった
- 顎が痛い
- 顎がはずれた
舌に関する症状
- 味覚障害がある
- 舌がただれる
- 舌が黒くなった
- 舌がしびれる
歯・歯茎に関する症状
- 歯が正常に生えてこない
- 時々痛くて歯茎が腫れる
- インプラントをしたい
- 歯を抜いたが後の治りが悪い
- 歯茎が腫れた・血が出る
- 歯が折れた
- けがをして歯が抜けた
- 歯が痛い
- 虫歯がひどい
- 歯並びが悪い
親知らずの抜歯
親知らずとは
15~30歳頃に乳歯から永久歯に生え
かわった後に、一番奥に生えてくる
歯のことを親知らずと言います。
親知らずのほとんどが斜めや横向きに生えてくるため隣の歯や歯茎に悪い影響を与えることがあります。
その場合、抜歯する必要があります。
しかし、まっすぐに生え正常な歯として食べ物を噛み潰すなど、しっかりと機能している場合は抜く必要はありません
親知らずの原因
最近では食べ物が硬いものから柔らかい物に変化したので、噛む力がそれ程必要なくなり顎が小さくなってきました。 そのため一番奥の歯が生える場所が無くなり、斜めや横向きなど無理な方向に生えてきてしまいます。
親知らず治療の流れ
Step1親知らずの状態を確認
横向きや奥まった所に生えている場合、レントゲン撮影を行い詳しい位置を確認します。 (比較的まっすぐ生えている場合、レントゲン撮影は行いません)
Step2麻酔
通常麻酔注射で行いますが親知らずが痛む患者さまの場合、歯茎に膿がたまっている可能性があり麻酔が効きにくいため周辺に数箇所、麻酔を行います。
Step3抜歯
抜歯する器具は殺菌したものを使用します。
横向きや奥まった所に生えている場合は、歯肉を切開し歯を分割しながら取り除くため、お時間がかかる場合があります。
Step4最後にガーゼを噛んで頂き終了
治療後ガーゼを30分程度、強めに噛んでください。
徐々に血液が止まり血餅(かさぶた)が出来はじめます。
顎関節症
顎関節症とは
顎(あご)は複雑な機能があり微妙に入り組んだ形になっております。
ここには筋肉・関節・神経が集中し、下の顎をささえており、食事や、おしゃべりしたりすると連動して動きます。
この顎の関節やその周囲が何らかの原因で痛みや動きにくくなるのが顎関節症です。
最近、あごの関節の不快感を訴える方が増えてますが、あごが思い通りに動かず、食べ物が噛みにくい。痛みを感じて口が開かない。あごを動かすと不快な音が聞こえる。症状は顎ばかりでなく、肩こりとか、腕や指のしびれ、偏頭痛、耳や鼻にも不快感を覚えることもあり、人によっては軽い症状から重い症状まで、個人差が大きいのが特徴です。ただし、早期に適切な対処を行うことで日常生活に支障をきたすことがない状態にもっていけるものが多いです。重い症状の場合、あごの機能が完全に破壊されてしまうこともまれにあります。思い当たるフシがあるのなら早めの診察をお勧め致します。
あごが痛い、口が大きく開けられなくなった
最こんな場合は、顎関節症が疑われます。口を開けたり閉じたりする時に顎関節でカックン、コッキンというような音がする場合は、無理に大きく口を開けたり、硬いものを噛んだりしてはいけません。痛みがあったり、口がスムーズにあけにくくなった場合は早期に口腔外科での受診をお勧めします。
顎関節症の原因
歯の噛み合わせが悪くて顎関節症になる場合が多いようです。
またストレスや精神的緊張があごの周りの筋肉を緊張させることによって噛み合わせが不安定になり、無理な力が関節にかかり顎関節に負担をかけます。歯ぎしりも顎の関節に大きな負担となることがあります。
顎関節症の治療法
噛み合わせを治すことが重要です。
スプリント(マウスピースのようなもの)を下あごもしくは上あごにいれ、上下の噛み合わせが均等に接するようにします。そうすると顎の関節が正しい位置に戻り、筋肉の緊張がとれて、スムーズに動かすことができるようになります。
さらに微調整をくり返し、症状が取れた段階で、必要があればかぶせものや入れ歯などを入れたりする事で、噛み合わせの関係を治したりします。
インプラント
インプラント治療をお考えの方へ
インプラント治療とは
インプラントというのは歯が抜けて困っている人に向けた最良の治療です。
抜けた箇所の顎骨に人口歯根を埋め込み、そして新しい歯を入れ込みます。
顎骨と固定しているためあまりガタつかず、本来の自分の歯のような噛み合わせを味わうことが出来ます。
また、材質はセラミック等で行うことが多いので、見た目の審美性も他の歯に引けを取りません。このため、インプラントは『第3の歯』と呼ばれることが多いです。
※1歯あたり約30万円。
インプラントのメリット・デメリット
インプラントのメリット
- 自分の歯のようにかめるようになり、かたい食べ物もおいしく食べることができます。
- 従来のブリッジと異なり周りの歯を傷つけません。
- 見た目も自然で自分の歯と同じように見えます。
- 従来の入れ歯と違って一生ものと考えられる治療法です。
- 天然歯と同様の機能が期待でき、違和感やしゃべりにくいということが少なくなります。
インプラントのデメリット
- 保健が適応されないので、自由診療となり費用がかかります。
- 骨の状態や全身疾患などでインプラント治療が出来ない場合もあります。
- 骨にしっかり固定されるまで時間がかかります。約半年間治療がかかります。
- インプラント治療後、十分な口腔衛生の管理と定期的なメンテナンスが必要となります。
インプラント治療のための最新設備
CTスキャン
歯科用CTスキャンで撮影することにより、顎の骨の状態・骨の密度・骨の量が正確に把握することができます。
それにより、より患者さまに適した正確な治療を行うことができ、治療の安全性も格段に向上します。
手術前の正確なシュミレーション
インプラント手術は、手術の安全性、確実な手術を行うために、手術前のシュミレーションが欠かせません。当院では「ノーベルバイオケア社」のシュミレーションシステムを採用しています。
このシュミレーションシステムではCTで撮影した画像を3D化することができます。
3DCG上でインプラントを埋め込む顎の骨の形状、周りの神経・血管などを立体的に表示し、把握することで、より確実で安全なインプラント手術を行うことができます。